CREATE 1998/06/03
OW-1:ペダルのオーバーホール

大事にしていると言いつつ、 ペダルのベアリングを、完全グリス切れ状態にしてしまったりと、 けっこうラフに使っています。
…っていうか、普通はチャリンコのメンテって、 あんまりしないじゃないですか。
フロントブレーキと、タイヤの空気圧以外は、あまり見ることないです。

というわけで、先日、ペダルのオーバーホールをしました。
まさかグリスが完全に切れているとは思いませんでしたので、 分解したときに、ベアリングの剛球をあたりにブチまけてしまいました。
グリスが付いていれば、ブチまけても、どこかにくっ付くので見つけやすいのですが、 今回、完全に乾いてしまっていたので、ブチまけたとき、 地面で跳ねまわって、そのまま行方不明になってしまったのです。
4つも失ってしまいました。 でも、わたしは予備の剛球をいっぱい持っているので、安心です。


ボトムブラケットのオーバーホール

そして、本日のメニュー。
ペダルのオーバーホールの次は、ボトムブラケットのオーバーホールです。
始める前は、けっこう簡単に考えていたのですが、いやはや、大変でしたよ。

クランクアームは、クランクシャフトの左右端に、 ピンとナットで留めてあります。
ナットをはずしてみたものの、ピンの抜き方がわかりません。 想像するに、単に差さっているだけと思えるのですが、 金槌で叩いても抜けません。
KURE 5-56 (潤滑油) をいっぱい注いでからやってみても、まったく抜けません。

困ったときには、林さんに聞くしかない。
(林さんというのは、わたしがいつもお世話になっている、 近所のバイク屋のお兄さんです)。
OW-1 を押して、林さんに聞きに行ったのですが、 わたしの想像通り、単に差さっているだけなので、ナットをゆるめにつけて、 金槌で叩いてやれば良い、ということでした。

で、またチャリンコを押して帰って、言われた通りにやってみたのですが、 抜けやしない。
1時間以上も格闘していたのですが、ピクリとも動かないので、 もういちど林さんのところに持って行きました。
さすがにプロは工具の使いこなし方が違いますね。 大きなモンキーレンチと、プライヤーと、大きな金槌を巧みに組み合わせて、 「これは硬いなー」と言いつつも、30秒くらいで抜いてしまいました。 これはすごいです。
林さん、どうもありがとうございます。

左クランクアームを外したところ BBの左フタを外したところ

BBの左フタとベアリングを外したところ。 強烈に汚れていますね 同じく (きれいにした後です)

えっと、林さんのおかげで、左側のピンを抜くことができました。
ひょっとしたら、左側の1本抜けば、 右側から、フロントのギアが抜けるかな、と思ったのですが、ダメでした。
右側のピンも抜かないといけないようです。

林さんがやっていたのを参考に、右側のピンを抜こうと思ったのですが、 これがまたヒジョーに硬い。
ピンを金槌で打つために、クランクアームを支える必要があるのですが、 極めて強い力で打たなければならないので、ジャッキで支えることにします。
ピンの上部にモンキーレンチを当てがって、それを金槌で力いっぱい打ちます。
こんなに力入れて打っても大丈夫なんかいな、と思うくらいの力で打ちます。
近所に、金属を金属で叩くときの音が響きわたります。

ほんとうはもうちょっと大きな金槌が欲しいところなのですが、 あいにく見つかりませんでした。
思いっきり打つこと数十回、ようやくピンが抜けました。
クランクシャフトから、 フロントギアと右クランクアームを外すことができました。
そして、左側から、クランクシャフトを抜くことができるようになります。

この、クランクシャフトが通っている部分のことを、 ボトムブラケットというみたいですが、 やー、汚ないですね。
ボトムブラケットの左側のフタ (?) はすぐに外れたのですが、 右側が外せません。
プライヤで回してみたり、マイナスドライバーと金槌で回転方向に叩いてみたり、 いろいろやったのですがダメでした。
これも1時間くらい粘ったでしょうか。
とうとう諦めて、また林さんのところに行きます。

林さんのお兄さんの方は忙しそうにしていたので、 おじさんの方に頼みに行きました (こちらは自転車屋さんです)。
やりたいことを説明したら、 「これはドライバーで叩くしかないんですわ」と言う。
わたしもいままで1時間もその方法でやってきたのだから、 いくら自転車屋といえども、苦労するんじゃないかと思っていたら、 林さんのおじさんは、ドライバを金槌で叩いて、 10秒くらいで外してしまいました。
ややー、どうなっているんだー!
「親子揃って、林さん、侮り難し!」とか思っていたら、 「逆ネジなんですわー」と教えてくれた。 どうりで外れないはずです。逆ネジだったとは。
林さん、どうもありがとうございます (再)。

ボトムブラケットの中を KURE 5-56 とウェスでキレイキレイして、 クランクシャフト、ベアリングの剛球などもきれいにして、 グリスアップして組み付ける。
回してみると、回転がスムーズになった気がする。
気がするだけでちっとも良くなっていないのかも知れませんが、 こういうのは気持ちの問題だから、それはそれで構わないのです。
ボトムブラケットの中がきれいになったことだけは確かなので、 その事実がいちばん大切なのです。

クランクシャフト (まだ汚れていますね) と、 BB左フタ (こっちはきれいにした後) BBからクランクシャフトを抜いて、 中をきれいにしました (まだけっこう汚いですが…)

BBの右フタ BB内のベアリング

クランクシャフト クランクシャフトにグリスを塗って、 ベアリングを乗っけてから組み付ける (邪道ですか?)
BBに全ての部品を組み付けたあと

クランクアームやペダルも汚れをぬぐって組み付けます。
フロントのギアはとってもきれいになったのですが、 ペダルなんかは、あまりきれいにはなりませんね。
ペダルは、アセンブリーで交換してしまったほうが良いかも知れませんね。

フロントギアと右クランクアーム 左クランクアームとペダル

チェーンもきれいにします。今回はウェスで拭うだけですが、 半年前くらいに、洗剤ですっかりきれいにしたばかりなので、 今回はこれでカンベンしておきましょう。

…というわけで、ボトムブラケットは、けっこうきれいになりました。
次回は、フロントハブ、リアハブ、フリーホイールなどを、 オーバーホールしようと思います。