CREATE 1999/10/16

東北ツーリング14日目 (1999/08/19 Thu)


津軽半島

昨夜は携帯電話がなくなるなどのハプニングがありましたが、
ゆっくり休むことができました。
目覚めは快適です。

撤収を済ませて、6時半頃出発です。
雨は降っていませんでした。
空を見ても降るような感じもないので、 嬉しいです。
ゆっくり歯を磨いて、ヒゲを剃っていきます。
こういう平和な朝が迎えられるのは、ほんとに幸せを感じます。


はまなす公園キャンプ場

今日は、横浜町から、野辺地町、青森、を経て、 いよいよ津軽半島に入る予定です。
ところが、横浜町を出発して、しばらくしたら、 いきなり土砂降りになりました。
さっきまでは降りそうな気配はなかったのに、いきなりこれですから。
ほんと困ります。
急いで停車して、レインウェアを着込みます。

青森までの道は、土砂降りだし、トラックが多い上、 追い越しがしにくいのでブルーです。
青森から、津軽半島に入ったところで、コンビニで朝食。
例によって、野菜ジュースとヨーグルトは欠かさずとります。
雨が上がったので、レインウェアを脱ぎました。
また降るかも知れないけど、メチャクチャ暑いので、着てられません。

青森からの国道280も、トラックが多く、 狭いので追い越ししづらい道でした。
トラックはしばしば停車車両や対向車両のため、停止するので、 単車のおいらは、そういう連中とは付き合ってられません。
半ば強引に抜きながら進みます。
蟹田町を過ぎたら、車が少なくなってきて、走りやすくなってきます。

今別は、青函トンネルが地下にもぐる町です。
写真は、青函トンネルに「海峡3号」がもぐって行くときのものです。
トンネルの上に「青函隋道」と書いてあります!
このトンネルを抜けるとき、この電車が北海道の地を走っていると思うと、感動します。


青函トンネル


今別の海岸

三厩村では、義経寺に寄って行きました。
ここは、義経渡道の地、ということで、厩石というのがあります。
石が光って馬になって義経を北海道に渡らせた(???)、 という伝説があったところです。


義経渡道の地


義経寺


龍飛崎

そして、龍飛崎到着です。
昨日は、大間崎、尻屋崎と回ったのですが、 景色がきれいっていう感じでもなかったので、 龍飛崎もそれほど期待していませんでした。

何人かライダーがいたのですが、そのなかで、女の子ひとりのライダーが気にかかりました(骨格が好みだったので…)。
話しかけようかなと思ったのですが、やめときました。
軽薄だなー、と思ったから…ということにしておいてください。

観光客は多すぎもせず、少なすぎもせず、景色を楽しむにはちょうどよいくらいでした。

べつに狙ったわけではないのですが、さっきの女の子が、岬へ上っていく階段とか、案内板とか見るタイミングが、 妙に一致してしまったので、ますます気になったのですが、気にしないようにして登ります。

龍飛崎から見る景色はめちゃくちゃ素晴らしかったです。
海の色が、いままで見てきた海の色とは明らかに異なっています。
この風景と同時に存在できるということが嬉しくて、胸に込み上げてきます。
龍飛崎というのは、風がきついことで有名ですが、
この風が、心の中まで吹いてくるようで、気持ちがいいです。

そんなふうに感動に浸っていると、 さっきの女の子が「写真撮ってください」と言ってきたので、そのついでに話しを始めてみました。
ひとりだし、荷物も少なかったので、地元の子かと思っていたのですが、埼玉から来たそうです。
近くに、おばあちゃんの家があるので、 そこを基地にして龍飛崎に来たということでした。
はじめから話しかけてりゃいいものを、気を使いすぎです→わたし。

龍飛崎には、日本に一箇所という、階段国道があります。
龍飛崎への丘に続く階段が、なぜか国道に指定されているのです。
ちゃんと国道を示す標識も立っています。
これって、国道を制定するときに、某役所の役人が、 地図だけを参考にして、国道を指定したのですが、そこは、実は階段だった、 というオチらしいです。

階段国道を下りて少し海に向かって進むと、太宰治の碑が立っています。
あまり人がいなくてさみしいところです。


龍飛崎


階段国道


太宰治の碑


権現崎、十三湖

龍飛崎から南に進み、権現崎に向かいます。
ここはものすごい岩場なのですが、駐車場に車を置いて、 かなり歩いて登らなければなりません。
登山とまではいきませんが、けっこうしんどいです。
観光客は少ないので、良いです。
ここも、海の色がきれいです。


権現崎

権現崎から更に南に進み、十三湖(じゅうさんこ)に行きます。
十三湖はメチャクチャ風が強いです。
湖は、あんまりきれいではありません。泥水みたいな色でした。
写真は、十三湖に浮かぶ「中島」と、中島へ渡る橋です。

十三湖では、名物(?)の、しじみラーメンを食べます。
これはけっこうおいしい。650円でした。
この店、店の外で、湖を見ながらラーメンを食べられるのですが、 強風のため、割箸立てが最初から倒してあるのが笑えました。
アイスクリームも食べました。200円。


十三湖

十三湖の西岸のところに、ちょっとした集落があるのですが、 ここは、かつて十三湊(とさみなと)として栄えた場所だということです。
ちょっと散策してみました。
遺跡が随所にあるのですが、昔をしのばせるようなものが何もないので、 あまり楽しめないです。
ここから少し南に、浜明神遺跡というのがありましたが、 これって遺跡というんでしょうか。普通の小さな神社みたいなものでした。


浜明神遺跡


金木町

十三湖から、車力村を経由して、金木町(かなぎちょう)に行きます。
金木までの道は、ほんとうにわかりづらい。
地図が古いから載ってない道もけっこうあるのかも知れないですが。
広域農道が多いのですが、標識が極めて少ないので、わけわかりません。
なんとか金木に着けましたが。

金木町では、当然、斜陽館に行きます。
斜陽館とは、太宰治の生家です。
当時、旅館をやっていた、その建物です。
秋田杉(?)がふんだんに使ってあって、ほんとうに立派なつくりでした。
わたしの家に、つくりが似ているところがけっこうあり、 「おれん家やー」とか思いながら見てました。 (規模とか品質とか、雲泥の差がありますが…)。
香りがいいし、木の艶がいい。
そして広い。
わたしは太宰治はあまり好きではないのですが、斜陽館はすごく好きです。


斜陽館


斜陽館


斜陽館


斜陽館


斜陽館


出来島キャンプ場

金木町から、また車力村を経由して、県道12号に戻ります。
このあたりでキャンプ場を探そうと思います。
はじめは平滝沼に行ってみたのですが、 キャンプ場らしきものが見当たりませんでした。

次に、出来島キャンプ場に行ってみました。
無料で、けっこう広いです。
ここには、すでに先客がいました。
テントを張って、くつろいでいました。 (海岸ではなく、堤防の上の方に張っていました)。
わたしは、できれば海岸に張りたかったので、 近くに居た漁業関係者らしき人に、テントサイトはどこですか、と聞いてみたら、「どこにでも自由にテントを張ってくださいよ!」ということでした。
大らかというか、いい加減というか。
でも、なんか気に入りました。
テントは、買い出しに行ったあとで張ろうと思います。

さて、先客ですが、VT250 に乗ったオッチャンでした。
今では VT も珍しくなりましたね。
おっちゃんはもう50歳を超えたような人でした。
「買い出しとテントの設営が終わったら、いっしょに話しませんか」 と言ったら大歓迎されました。
なぜ海岸で張らないのですか、と聞いてみたら、ペグが安定して差さらないので、海岸はやめたそうです。
わたしはペグがささらなくても、海岸で張りますけどね。

さっそく買い出しに出かけます。
今日は北のほうから南下してきましたが、町らしい町がなく、買い出しも大変かなと思っていました。
五所川原市まで出ないといけないかなと思っていたのですが、鰺ヶ沢町にコンビニがあったので助かりました。
ビールはキャンプ場の近くの商店で調達したのですが、そこで姫路から来たなどと話していると、「おー、じゃ、メロン持ってくかー?」と、メロンをくれました。
なんか、いいよね、東北は。

日も暮れそうだったので、急いでテントを設営します。
今日は久しぶりの海岸でのキャンプなので、嬉しいです。
この辺りは風が強いことで有名なので、 いつもよりもしっかりと固定しておかなければいけません。
荷物をいっぱい入れて、ペグを10本も打っても、 飛ばされないか心配なくらいの風です。
これからテントを離れて、弁当とビールをもって、 おっちゃんのテントのところまで遊びに行こうと思うので…。
(わたしのテントの場所と、 おっちゃんのテントの場所はけっこう遠いのです)。

おっちゃんは、岩手県北上市から来た57歳で、 高校の英語の先生だそうです。
実はキャンプはこれが初めてなのだそうです。
しかし、装備はいろいろ持っているようで、すごかったです。

教育のこととか、経済のこととか、人生のこととか話しました。
メロンも2人で食べてしまった。
それにしても、おっちゃんは、けっこう酔っ払ってしまってましたねー。
明日大丈夫なのかな。

つづく