CREATE 1998/05/14

四国・九州ツーリング (16)
第4日目 (1998/05/02 Sat)


椎葉、西米良

…しかし、走りやすくていいやと思ったのは、大きな間違いだったのでした。
道の曲がり度合は、四国の R439 に匹敵するくらいのもので、 しかも雨が降っているから余計に走りにくいのです。
いつまで経っても目的地に着きやしない。
運転に支障があるくらいのひどい雨でした。 (あとでわかったことですが、 ここは山の中のため、いちだんと雨が強かったようです)。

国見トンネルというトンネルはけっこう立派なものでした。 最近は、寒いときにトンネルに入ったら、暖かくなる、というのが多かったのですが、このトンネルは、入ったとたんに凍り付くような寒さでした。
そういうトンネルもあるんですね。

椎葉村までの道は、まだけっこう広くてマシだったのですが、 椎葉村から西米良村までは、地獄のようです。
道路が崩落していることなんて、しょっちゅうです。 道路幅全体が川に落ちちゃっているところとかあって、怖いのなんの。 林道でコケるのが怖い、などというのとはレベルが違うって感じ。
谷側を走れば道路の崩落で川に落ちてしまう危険があるし、 山側を走れば崖崩れで大岩が落下して直撃を食らう可能性がある。 確率なども考慮して(?)、中央よりやや山側のラインを走る。

ようやく西米良村に到着したのは17時頃でした。 西米良は意外と大きな村でした。
ここから更に小林市まで抜けようと思ったのですが、 道がわからなかったので、歩いていた人に、 「小林はどっちですか」と訊いたのだけど、「小林? 小林は、一旦、人吉か西都に出ないと行けないよ」 と言われてしまいました。
頭はパニックです。
わたしは西米良村にいると思い込んでいたけど、 どこか別の場所に来てしまったに違いない、と思いました。
とりあえず、すぐ近くに駐在所があったので、そこに行ってみることにします。 「小林に行きたいのですが…」。 「ああ、小林は、一旦、人吉に出てから行かないと」と、さっきの人と同じことを言われました。
聞きながら、わたしも地図を見ていたので、 やはりここは西米良村に間違いないということを確認していたので、 「でも国道265号を通れば行けますよね」と言うと、「ああ、あれは林道みたいな道だから、時間かかっちゃうし、 第一、通行止めになっていることが多いからね」 ということでした。
それでもその道を通って行こうという意志があることを伝えたら、 通行止め情報を問い合わせたりしてくれました。
やー、いい人です。

17時を軽くまわっていましたが、 19時近くまで、なんとか路面は見えるかなと思って、 教えられたように R265 を進んでみました。

R265 に入ったところに、 いきなり、「須木村 46km」という看板があるではないですか。
そのときは R265 に入ったばかりで、まだけっこう道がよかったのですが、 しばらくすると道が悪くなって、30km/h くらいしか出せなくなりました。
そして、雨がヒジョーに強くなってきました。
それから、(後で考えると当然といえば当然ですが)、 18時くらいには、路面は真っ暗になってしまいました (林道って木が多いから暗くなるのがかなり早いんですよね)。
なのに、距離はほとんど稼げていません。
こりゃヤバい、と思ったのですが、一度来た道を引き返すのも厭だなとか、 対向車にぜんぜん会わないな、とか思っていたのです。
やっぱ、これはかなりヤバいので、悩みに悩んで、結局、戻ることにしました。
「戻るのもまた勇気である」ということですね。

結局、西米良村まで戻り、夕方に道を尋ねた駐在所の近くの、 民宿に泊まることにしました。
民宿の看板があったので、行って泊まれるかどうか訊いたらOKということでした。 (これで、4日連続で、1軒目でOKということになりました)。
ズブ濡れになったウェアを乾かす必要があって、干しといたんだけど、 完全に乾くといいな。

風呂に入ってあたたまり、食事となります。 ここの食事はけっこう変わってました。
鹿肉のさしみ、こんなの食べたことありません。
猪の焼肉。これは食べたことありますが、何度も食べるものでもないです。
ドクダミのてんぷらなんてのもありました。これはおいしいですね。
いつものビールのあと、焼酎をロックで。
わたしは焼酎はあまり飲まないので、ほんとは日本酒が飲みたかったのですが、 やっぱ、南九州じゃ、焼酎っすね。郷に入らば郷に従え、って感じ?
ここでは、民宿の主人といろいろ喋りました。 タイで買ってきた洋酒を飲ましてもらいました。

今日は酒をけっこう飲んでしまったし、なにより疲れたので、 けっこう早く寝てしまいました。

つづく