CREATE 1999/10/12

東北ツーリング10日目 (1999/08/15 Sun)


雨の撤収

昨日の時点では、よもや今日が雨になるとは信じられなかったのです。
晴天の霹靂っていうんですか。
朝起きてみてビックリですよ。
すごい雨でした。
これじゃ撤収できないです。
…でも撤収しないといけないのです。
待っても天気が良くなりそうな雨ではありませんでしたから。

テントの中で、身体だけは完全防水にしておいて、撤収を開始します。
キャンプ場のトイレのヒサシとかを駆使(?)しながら、 なんとか撤収します。
わたし以外の、もうひとりのライダーのT君に見守られながら、 撤収作業を続けています。
彼はもう少し天気を見てみるようなことを言っていました。
そのほうがいいかも知れません。
これだけの雨が降ったら、移動しないというのも手かも知れません。
でも、わたしは動かずには居られないのでした…。

なんとか撤収を終え、土砂降りのなか、T君に見送られながら出発しました。

ときどき雨宿りしながら北上しました。
雨を受けつづけると、リュックの中とかに雨が浸入しやすくなりそうだし、ときどきレインウェアを脱いでTシャツを乾燥させなければ、風邪をひきそうだから、雨宿りしないと落ち着きません。
乾燥させようにも、空気が湿っているので、ぜんぜん乾かないですし…。
だから、ぜんぜん北上の効率が上がりません。
キャンプ場から出てこなければ良かったとも思いました。
北には進めても、観光なんてぜんぜんできません。
手には雨が直接当たるので、すぐにシビレてしまう。
身体が濡れるので、とても寒いのです。
濡れていて身体がとっても不快です。


三陸海岸

基本的に国道45号を単調に北上するだけです。
ぜんぜん楽しくありません。

疲労度高いので、休憩を兼ねて釜石でラーメンでも食べようと思って、市内をウロウロしてみたりもしたのですが、釜石って、超シケてますね。
かつての鉄鋼業の町が、今は廃墟のようです。
でも、よく考えてみたら、今日は日曜日だったのですね。
それにしても、やっぱりシケてるという印象はぬぐえないです。
わたしの釜石の印象は、しばらくは「廃墟」のままでしょう。
釜石の方がこれを見たら、 不本意に思われるかたも多数いらっしゃるでしょうが、わたしの私見なので、あまり気にしないでいただきたいです。 (って言っても無理と思いますが…)。

結局、釜石では、何もできませんでした。
ラーメンすら食べられない、というのは、やはり印象が悪いです。
これは仕方ないです。

更に45号を北上していました。
地獄の苦しみです。
途中、吉里吉里海岸というのがあったので、それを見に行きました。
井上ひさしの小説で、吉里吉里人というのがあったのですが、たぶん、これは関係あるのですよね。
独立国があるとは思わないけど、両者の地名には関係がある、と。
で、行ってみたのですが、何すか、これは。
単なる海水浴場として見てもシケすぎている。
こりゃあかんわ、と思って、停車すらせずに再スタートしてしまった…。

宮古近くの、道の駅でラーメンを食べました。
さみしいラーメンです。
スチロールの容器で出てくるようなやつです。
でも、温かい、それだけが嬉しい。
ここでも、雨に途方に暮れているライダーがいました。
浄土ヶ浜に行くべきか、行かざるべきか、悩んでいました。
かく言うわたしも悩んでます。
こんな雨で行っても、楽しくないですから…。
でも、せっかくここまで来ていて、浄土ヶ浜に行かないというのもね。
苦しみながら、行ってみました。


浄土ヶ浜

ラッパ型の拡声器で、BGMまじりのアナウンスが始終流れている。
そんなところでした。
浄土ヶ浜 というのは、三陸の波に削られた、リアス式海岸の景色を楽しむところです。
昔、ここを訪れた零鏡和尚いう人が、「さながら極楽浄土のごとし」 と言ったらしいです。
でも、極楽浄土というのは、あまりにも遠いと思いました。
巨釜・半造のほうがぜんぜんいいです。

次に訪れたのは、鵜ノ巣断崖です。
ここも相当シケていました。
断崖はたしかにすごいですが…。
浄土ヶ浜よりは良いです。
どっちか行くのであれば、鵜ノ巣断崖のほうがいいです。


鵜ノ巣断崖

ところで、田野畑村の道の駅で雨宿りをしているときに、変なものを見かけました。
液晶の電光掲示板なのですが、 Windows のものと思しきエラーダイアログが表示されています。
メモリが足りないそうです(笑)。
Windows も Windows ですが、こんなOSを掲示板のOSに使うのもどうだかねー、っていう感じですね。


なんじゃこれは!


久慈 民宿一力

寒くて泣きそうだったので、どこか宿を探して休みたい。
今日は、やはり御崎にとどまっていれば良かったかも知れません。
ただ、かなり北上できたので、ノルマは果たしたので、良かったのか?

このあたりは、あまりいい宿が取れそうもありませんでした。
なんか、泊まりたいと思うような土地がないのです。
結局、久慈の海岸の民宿に泊まることにしました。
まだ3時過ぎだったけど、早く宿に行って休みたい。

久慈の民宿一力は、まあ、可もなく不可もなくという感じです。
さっそくお風呂に入って、洗濯を済ませてしまいました。
今日は靴を乾かさないといけないのが大変です。
夕食は、漁業の町の夕食としては平凡なものだったし、民宿のひとは、けっこう事務的で、話しもあまりできなかったです。

食事の途中で、別の客の人で、中年の夫婦のおっちゃんが、近寄って来て、どこをまわってきたのかとか、明日はどこへ行くのかとか、いろいろ話しをしました。
ちょっと盛り上がりに欠けましたが、いろいろ教えていただきました。

つづく