CREATE 1999/10/16

東北ツーリング17日目 (1999/08/22 Sun)


八幡平

田沢湖から北上し、八幡平に向かいます。
ここは、特に寄って行くようなところはないのですが、 風景を楽しみながら走ればよいみたいです。

今日はメチャクチャ寒いです。
あまりにも寒いので、途中で、雨も降っていないのに、 レインウェアを着込んでしまいました。

八幡平は、温泉が豊富にありますね。
途中、道端の空き地に蒸気が高く吹き上げているところがあって驚いたのですが、 新しい温泉を掘っているのかも知れません。

あと、ここは紅葉の美しいところだそうですね。
また、いつか秋に来れたらいいな。


道路脇に噴出する蒸気


八幡平


盛岡

八幡平を西から東に抜け、盛岡に向かって南下します。
小岩井農場は、家族でのんびりして、牛乳でも飲むような、 そういうのんびりしたところだというので、寄っていきませんでした。
なんとなく想像つきますね。
ひとりで行ったら、浮きそうです。

盛岡は、岩手公園を散策します。
ここは盛岡城跡なのですが、城跡であったという感じはないです。
ほんのちょっとしたものが、散在しているので、 時間があればゆっくり調べてみるのもいいかと思いますが、 わざわざ行くような都市ではないと思います。
旧盛岡銀行本店の建物は立派でした。
なんと、あの辰野金吾が建てた建物だそうです。
(みなさん辰野金吾はご存知ですか? 東京駅を設計した人ですね。 現在の丸の内口と共通点あり、って気がしますよね)。


岩手公園


旧盛岡銀行本店


岩手公園


遠野

盛岡が、思った以上に期待はずれだったので、 とっとと遠野に行くことにしました。
結論から言うと、遠野は思った以上に素晴らしかったです。

3日前に、出来島キャンプ場で会ったオッチャンが、 遠野に行くなら、ぜひ、民宿「りんどう」に寄って行け、と言っていたので、今日の宿泊を予約しています。

遠野では、はじめに、卯子酉様、愛宕神社、五百羅漢に行きました。
卯子酉様というのは、読み方わかりません。
小さな神社みたいな祠に、卯子酉様がまつってあるみたいです。
それがどういう神様なのかもよくわかりませんでした。
普通の民家の横を通っていかなければならず、ちょっと気まずいです。
卯子酉様それ自体も、民家の持ち物なのかも知れません。
愛宕神社は、けっこう立派な石段を登って行く神社で、雰囲気はいいです。
五百羅漢は、ちょっと離れていて、行くのがしんどいです。
単車で移動するほうがいいと思います。


卯子酉様


愛宕神社


五百羅漢


五百羅漢

つぎに、鍋倉公園、鍋倉城跡、日枝神社 に行きます。
たぶん、ここは江戸時代のお城だと思うのですが、山しか残っていなくて、 ぜんぜんよくわかりませんでした。
石垣もほとんどありません。
当時から石垣はほとんどなかったようななのですが、なんか変なお城です。
説明書きは随所にあって、そこにそういうものが有ったんだな、 とは思いますが、「だからどうやねん」という感じです。

矢印に従って、いろいろ見にいってみたのですが、 当時の面影のあるものがほとんど残っていないので、ふーん、で終わりです。
鍋倉城本丸跡も、単なる丘の頂であり、 ここの管理者が作業をしているので、雰囲気もなにもあったものではありません。


鍋倉神社


鍋倉城跡


鍋倉城本丸跡

にわかに天気が悪くなってきました。
黒い雲が急速にこちらに進んできます。
すぐには天気が悪くなって来ないと思って、単車の荷物を防水して来なかったので、 急いで山を降りていきました。
山を降りて、単車に辿りつくと同時くらいに、ドッと雨が降ってきました。
荷物の防水は、間一髪セーフです。
わたしの身体も、レインウェアを着ていなかったのですが、 にわか雨だと思ったので、近くの遠野市立博物館に入りました。
もともと、ここはゆっくりと見ようと思っていたので、 これを見ている間に雨が上がってくれれば最高だな、と思っていたのですが、 結局、この雨はしばらくは止みませんでした。
市立博物館と、とおの昔話村の共通チケットで450円だったかな。

市立博物館は、それなりに見る箇所はあります。
遠野は、民話の里なので、 博物館には、民話を聞かせるための設備があるのですが、やはりひとつひとつ聞くのは時間がかかるし、いくつか聞いたら飽きてしまうので、もうちょっと工夫があると良かったと思います。

とおの昔話村のほうは、 語り部による民話が聞けるそうなのですが、時間が決まっているので、なかなか待ってまで聞こうとは思わないです。
これを聞かなければ、ここはほとんど、何もないと言っても過言ではありません。

柳田國男の民俗学調査の拠点である高善旅館の建物らしいのですが、 そう言われても、楽しめるかというと、否です。
これは、今は柳翁宿(りゅうおうじゅく) という名前で呼ばれています。


とおの昔話村

とおの昔話村を見終わっても、雨はぜんぜん上がりませんでした。 博物館の横は図書館なので、そこで時間を潰して行こうと思いました。
しかし、この図書館は、本を読むスペースがありません。 蔵書も、遠野に関するものと、民俗学関係と、子供用の本がメインで、 あとはほとんどないので、本の背中を見て楽しむこともできません。
すぐに飽きてしまいました。 雨は上がらないだけではなく、どんどんひどくなっていきます。

土砂降りの中、伝承園に向かいます。
伝承園は、遠野の古き良き文化を伝承するために、 建物や調度品が置いてあります。
あと、柳田國男、佐々木喜善の記念館があります。
佐々木喜善という人は、柳田國男に、遠野の民話を語り聞かせた人です。
中は意外と広く、見るだけで充分楽しめる内容になっています。
入園料は300円でした。これは安いのではないでしょうか。


伝承園

あと、細かいところにいっぱい行きました。
早池峰古道跡、というのは、 昔の早池峰山登山口跡です。
伝承園の横にあるのですが、 知っていなければこれが早池峰古道跡とはわからないでしょう。
看板もなければ、説明書きも何もありませんから。
わたしは、けっこう長く探し歩いてしまいました。


旧早池峰山登山口

常堅寺の裏手にある、 かっぱ淵は、沼のようなものを想像していたのですが、 これは明らかに川です。
ここに河童が出たという伝説があるのでしょうね。
かっぱ淵の横にある民家のおじいさんが、 辺りをウロウロして、観光客とアホな話しをしていました。
どんな話しをしていたのかは忘れてしまいましたが、みんな、辟易した様子で、観光客同士、お互い目くばせしていました。


かっぱ淵

あと、デンデラ野、佐々木喜善の生家、ダンノハナなどに行きました。
佐々木喜善の生家というのは、そのまんまのわかり易い名前ですが、 あとの2つは、わけわかんないでしょ。
行ってみてようやくわかったのですが、 デンデラ野というのは、 昔の姥捨て山みたいなものらしいです。
姥捨て山というには、あまりにも狭い場所でした。
捨ててきても、すぐに家に戻ってしまうのではないでしょうか。
ダンノハナというのは、 丘みたいなものがダンノハナだと思うのですが、 違うかも知れません。
たぶん、なんかの信仰の対象になっているものと思われます。
佐々木喜善の生家というのは、 その子孫と思わしき人たちが住んでおり、 観光用として解放されていないみたいでした。
彼らは暮らしていて、しばしば、観光客に家の中を覗かれて、 さぞ厭な思いをしていることでしょう。
「だったら、看板を外せよ」というのは、一理あると思います。


佐々木喜善の生家


デンデラ野


ダンノハナ

雨のなかの観光で疲れたので、民宿「りんどう」に行くことにしました。
りんどうは雰囲気のある門構えで、建物の中もとてもきれいでした。

ちょうど雨が上がったので、風呂に入る前に、 遠野の町を散策することにしました。
りんどうのある辺りは、町並みを保存しようという地区なのです。
確か、大工町とかいう名前だったと思います。
町を歩いてみて、それ自体がひとつの芸術作品になっていると思いました。

まず、建物が昔のイメージで建てられています。
銀行とか、運送屋、宿、すべての建物が昔風になっていて、 いちいち楽しめました。
「これが銀行かよー」ってな感じですね。
あと、ゴミはぜんぜん落ちていないし、汚ないものも置いていないので、 町がすごくきれいです。
写真いっぱい撮ってしまいました。


民宿りんどう


酒屋


肉屋


薬屋


これが司法書士事務所なのか!?


日本通運も!


遠野の町並み

しばらく散策したあと、宿に戻って、洗濯、そして風呂に入りました。
夕食のとき、民宿のおばさんに、 出来島キャンプ場で会ったK先生の話しをしました。
K先生の息子さんと、りんどうさんの娘さんは同級生だったそうです。
夕食のサービスの手伝いをしてくれているのが、その娘さんなわけです。

ところで、今日は、宿泊客がわたしひとりだったのですが、 夕食のときに1人増えました。
彼も単車乗りでした。

一緒に夕食を食べることになったので、例によってしゃべっていました。
彼は東京から来たということですが、もともと姫路だったそうです。
民宿に到着したときに、わたしの姫路ナンバーを見て驚いたそうです。

話し始めたとき、わたしは、 半分冗談で「どこかで会ったことあるよね」とか言ったのですが、冗談ではなく、本当に会ったことがあるかも知れません。

住んでいるところはけっこう離れていて校区が違うので、 やっぱりそんなことあるわけないか、と思ったのですが、調べていくうちに、高校が同じところだとわかりました。
しかも、彼はわたしの1年下の学年でした。
つまり、彼はわたしの後輩だったんですねー。
間違いなく、学校で会っていると思います。
こんな偶然ってあるものなんですねー。
今日は、話しはかなり盛り上がりました。

つづく