CREATE 1999/9/11

東北ツーリング3日目 (1999/8/8 Sun)


紫雲寺、瀬波温泉

今朝は疲れていたので、ちょっと遅めの、5時半くらいに起きて6時半くらいに出発しました。

野村君は、4時に起きて、5時頃には出発してしまったようです。
4時にはおいらも起きていたのですが、野村君の出発には全然気付きませんでした。

朝、デジカメのコンパクトフラッシュカードの内容を、ノートパソコンに移し替えます。
…そうなのです。 今回の旅には、ノートパソコン持参なのです
1.0kg の軽いノートパソコンとはいえ、こういう旅に連れてくるというのは、ちょっとズレてるって気もしないでもないです。
おたくっぽくもあるけど、優雅な気にもなります。
…とは言え、今回は、見せびらかせるのが目的では全くなくて、完全に実用のために持参したのです。
デジカメのデータを保存するためと、Eメールです。
Eメールが生活の一部になっていると、いろいろ大変なわけです。

新発田から、紫雲寺に出て、松尾芭蕉の足跡をたどってみることにします。

紫雲寺から北に進むのは、芭蕉の進んだとは逆向きですが、そんなことは気にしません。
まず、乙宝寺に行きました。
朝早いので、本堂がまだ開いていなくて、国宝の大日如来を見ることはできませんでした。

乙宝寺から北へ行くためには、荒川という川を渡るのですが、現在は、当然橋がかかっています。
芭蕉の頃には橋はなく、渡しだったはずです。
河口近くを渡ったと思うのですが、現在はその面影はありません。
芭蕉がどの道を歩いたのか、それもよくわかりませんでした。

次は瀬波温泉に行きます。
芭蕉は瀬波温泉に行っているはずです。
瀬波温泉には、共同浴場があるのですが、これは、いわゆる共同浴場っぽくなくて、立派な施設なんです。
龍泉閣という、露天風呂なのですが、これが800円するのです。
ちょっと高いです。
開くまで待って、露天風呂に入って行きます。
打たせ湯が最高です。


朝日スーパー林道、元屋敷遺跡

瀬波温泉から村上市を経て、内陸部に進みます。
朝日スーパー林道を走ることにしました。
林道に入るときは、なるべく早い時刻のほうが良いので、ちょっと変な進み方ですが…。
三面川に沿って北に進んでいると、「元屋敷遺跡こちら」というような 看板があったので、興味をそそられました。
元屋敷遺跡とは、今まで全然聞いたことがないのですが、わたしはどうやら、遺跡という単語に弱いみたいなのです。

看板に従って、元屋敷遺跡方面に進むのですが、これが、超アヤシイのです。
まず、奥三面ダムの工事現場に入ってしまいました。
看板を見る限りでは、ここは普段、誰も入れない場所のようです。
せっかくだから、見て回ったんですが、関係者以外立入禁止の看板や、発破の時間割を書いた看板があったり、するので怖いです。ほとんど誰も通っていないので、ほんとにここ通ってもいいの?と思ってしまいます。


奥三面ダムの工事現場(ここ入ってもいいの?)

そうこうしている内に、また「元屋敷遺跡こちら」という看板があったので、ちょっとだけ安心してそちらに進みます。
工事現場のようなところをどれだけ進んだでしょうか。
その間、気が気じゃなかったですが、なんとか、元屋敷遺跡とやらに到着することができました。

結論から言うと、元屋敷遺跡とは、奥三面遺跡群のひとつであり、縄文時代の遺跡なのです。
今回の東北ツーリングには、三内丸山遺跡も当然組み込まれているのですが、それと同様の遺跡が、こんなところにもあったわけです。
三内丸山遺跡は、発掘が充分なされて、落ち着いており、一般に公開されているわけですが、元屋敷遺跡は、現在も発掘が進んでいるような遺跡です。
新潟県の職員が詰めていて、遺跡の説明をしてくれるというので、聞かせてもらいます。
ここには掘立柱建物があっただとか、竪穴式住居があった、道があっただの、あるいは川が流れていただの、墓だっただの、 いろいろ説明してくれます。
これだけの情報で、なんでそんなことがわかるんだ?と思います。
不思議です。


元屋敷遺跡。道の跡。

元屋敷遺跡を充分堪能したあと、ようやく朝日スーパー林道に入ります。
ところがここで、ちょっと気がかりなことがあるのです。
県境付近で通行止という看板がかかっているのです。
林道では、このような看板がかかっていることは、しばしばあり、ほとんどの場合、通行が可能だったりするのです。(こういうことを書くこと自体、マズいのかも知れんが…)。
でも、林道の場合、本当に通行止だった場合、迂回路がないことが多いのです。
したがって、本当に通行止だった場合、予定が大幅に狂ってしまうし、引き返すことを決定する地点が遠かった場合、ガソリンが足りなくなるような事態にもなりかねません。

しかしながら、せっかくここまで走ってきていて、本当に通行止であることが判明するまでに、引き返すことができるかというと、ちょっとできません。
本当の通行止でないことを祈りながら、進むしかないです。
なぜなら、そこに道がある限り、進まなければならないのは、ライダーの宿命なんですから…。
(あと、ダートっていうのは、引き返すの、あまり嬉しくないです)。

そういうわけで、わたしは北にどんどん進んでいました。
県境がだんだん近づいてきたとき、金山跡がありました。
そこに管理人(というか、単なるおっちゃん)が居たので、通行止情報を聞いてみました。

そしたら、県境より北へは、本当に行けないらしいです。
引き返すのは悔しいので、抜け道情報を聞いたのですが、県境の手前から、朝日村の高根集落に抜ける道があるということでした。
高根集落に抜けても、鶴岡市側に抜けられるわけじゃなく、引き返したときとそう大して変わらないところに出るだけなので、あまりメリットはない。
だけど、引き返して同じ道を戻るよりも、前に進むほうが、はるかに楽しそうだったので、高根集落に抜ける道を進んでみることにする。
ただ、この道は、地元民専用の道なので、ダートの荒れ方が、スーパー林道より、はるかに荒い(専門用語で、ガレている、という)。

とりあえず、一度進んでみることにした。
ところが、やっぱり、 ガレてて進めない。
途中でコケて動けなくなったら、誰も通っていない道だから、遭難してしまうかも知れないし、やっぱそれは怖い。
だから、やっぱり引き返すことに決めた。
引き返そうとしたとき、、、コケた
世の中、得てしてそういうものだ。
コケ方が変だったので、単車の上側が下になってしまい、ぜんぜん起こせない。
バンディットという単車は、形状のため、よく、こういう変なコケ方になる。
渾身の力を込めて、ようやく単車を起こした。

しかし、エンジンがかからなかった
こういうことはよく起こることなのだ。
いわゆる、「プラグがカブっている」っていうやつなのだ。
しばらく待てばかかるはずだ。
ほんとうは、プラグを抜いて電極を拭ってやりたいところなのだが、バンディットはプラグが簡単には外せないのだ。
ほんとうにじれったい。
あまり頻繁にエンジンをかけて試していては、バッテリーが上がってしまうので、適当な間隔を置いてエンジンをかけてみる。
しかし、ぜんぜんかかりそうな気配がない。
…最悪、かばんを持って、金山跡の、人が居そうなところまで歩くしかないな、などと考える。
どきどきする。
「あと、1回やってみて、かからなかったら、歩いて行こう」と決め、かばんを単車から下ろした。
そして、気合を入れてエンジンをかけてみた。
そしたら。。。
かかった。

めちゃ焦ったが、エンジンがかかったらこっちのもの。
元来た道を、引き返すことになったが、さっきまでの、楽しくない気持ちは、今はなかった。
楽しく、元来た道を引き返す。。。


村上

村上市まで戻って、村上城跡を見に行くことにした。
けっこう坂が長く続く。
昨日のダメージが残っているので、かなり大変だった。
というか、どうやら、身体がバテ始めているようなのだ。
いくら水分を補給しても、身体が水を要求することをやめない。
何かがおかしい。


村上城跡


笹川流れ 海岸でキャンプ

相当バテていたので、今日は早めにキャンプ地を決めなければ。。。
地図を見て、進むべき方向は、笹川流れしかない、と思い、北に進む。
しかし、笹川流れの海岸は、管理されたキャンプ場ばっかりで、無料でキャンプできるところが少ない。
村上から相当北に進んで、やっと管理されていない海岸が見つかるようになった。
しかし、それがキャンプに適当であるかどうかはまた別なのです。
20キロ以上(?)進んで、やっとキャンプ地を見つけた。
海岸には、海水浴の客も少し残っていた。
夕方になるのを待って、テントを張った。
テントを張ってから、買い出しに行ったのだが、結局、村上市街まで戻ることになってしまい、めちゃ効率が悪い。
キャンプ地のすぐ近くに酒屋があったので、買い出しのときにはビールは買わなかった。
なるべく近くで買うほうが冷えてていいからね。
ところが、買い出しから戻ってきて、酒屋に行ってみたら、休業していた。
頭がクラクラしてきたので、いちかばちか、酒屋の人の住んでいる玄関から、酒売ってくれーと頼んだら、自分の家で飲むために取ってあるやつを売ってくれた。
酒屋のおばちゃんが、身体を悪くしたため、今年は休業しているのだそうだ。
感謝。


笹川流れ(今日のキャンプ地より)

つづく