CREATE 1998/11/10

松阪・伊勢・南紀ツーリング (4) 〜尾鷲とか

7時半に朝食を取り、8時半頃出発。
中井荘、気に入りました。
浜島町も気に入りました。
浜島町というのは、おれが2年ほど前に単車で事故をやって、 旅を続けられなくなって強制送還された経験がある土地なので、 その印象をすっかり塗りなおすことができたというのは大きい。
(その事故やったところ、というのは、民宿から単車で5分くらいの ところなんだよね)。

今日は、 熊野詣でと温泉ツアー にしましょう、と出かける。

浜島町を出発して R260 に入ろうと思っていると、 「ハーレーミーティング」 という案内板があった。
民宿からすごく近いところである。
中井荘のおばちゃんが「あんたら、ハーレーで来たんとちゃうんかー」と 言っていたが、ほんとにそういうミーティングがあったのですね。 (べつに疑っていたわけでもないのだが)。
ちょっとそっちの方向に進んでみた。
矢印の方向に向かって進んでみたのだが、 結局、ミーティングには辿りつけなかった。
案内板は見つけたものの、ミーティングが今日なのか明日なのか、 あるいは昨日なのかわからなかったし、 まだ8時半なので、ミーティングの時刻までは、まだ時間があったから、あきらめて次、進むことにする。

R260 に入り、南勢町、南島町、紀勢町と進む。
ずっと以前に、紀伊長島から南側からこの道に入り、 ガソリンが足りなくて、結局 R42 に戻ってしまったことがある。
今走っても、なかなか山深い道で、 ガソリンがないとちょっと辛いな、という気がするくらいの道である。
走っていて楽しいし、眺めも素晴らしい道である。
そういう道を延々と進んできた。
R260 を棚倉トンネルから紀勢町に入ってしばらくして、 けっこう大きな三叉路に出る。

そこで、進路について小林さんと打ち合わせていたら、 チャリンコに乗った2人の女の子が声をかけてきた。
大学生っぽい子たちである。
彼女らは浜島町方面に抜けようとしているということで、 三叉路をどっちに進めば浜島町に行けるかを、おれたちに確認するのだった。
ちょうどおれたちは浜島町から来たので、その旨教えてあげたのだが、 その道がアップダウンが激しいことを知って、「ええっっ!」と嘆いていた。
夕方までに浜島町に抜けるには充分だし、風景も良いので、 おれたちが来た道をお奨めしておいた。
彼女らによると、昨日は、紀伊長島のちょっと南の、 古里温泉で、テントを張って泊まったということだった。
女の子が、チャリンコでそういう道を走り、 テント泊で旅しているというのを知り、すごく刺激を受ける。
何かを一生懸命やっている子というのは、ほんと、素敵に思える。
がんばれよー!
(写真撮らせてもらえば良かった…残念)。

コーヒータイムをしたかったので、紀伊長島の先の、 高塚台公園で停車したのだが、信じられないことに、 ここには自販機がなかった。
展望台とか、望遠鏡とかあって、眺めはなかなか面白いのだが、 自販機がないのには驚きである。


高塚台公園の眺め
遠くに島が細い浜で繋がっているのが見えますか? これ、人がすれ違うのがやっと、くらいの細い道のようなんですよ

高塚台公園から国道を見る

コーヒーはお預けになってしまったが、 もう昼が近くなってしまったので、尾鷲で昼食タイムにする。
昼食は大きなレストランだったので、時間がかかりそうな雰囲気だった ので、早くできそうなものを頼んだ。おれは鮪丼を頼んだ。
長く待ってイライラしている風の人も多かったのだが、 おれたちの読みは当たって、おれたちの注文したものは、 けっこう早くきた。

尾鷲から R425 に入り、またウネウネ道を通る。
途中、小林さんが停車して、「滝が見えへんかったか?」と言うので、 走って戻ってみたら、確かに滝が見えました。


日本で小林さんが初めて発見した滝 (ウソ)

その後、道路を走っていくと、さっきの滝に近付いてきたので、 単車を置いて近くまで登ってみることにする。


小林滝 (仮名) に近付いてみた

小処温泉

尾鷲で昼になってしまったので、熊野詣はちょっと難しくなってきた。
走りはけっこう満喫したので、温泉を実現しておこうということで、 温泉情報を調べてみた。
最初は十津川温泉のちょっと北の、温泉地温泉というのが気になった。
何と言ってもその名前。
温泉地温泉とは一体どういうつもりなのか
「渓谷を望む露天風呂」ということだし、 河原でキャンプが可能ということなので、 ひじょうに良さそうだと思ったのだが、 小林さんはちょっと遠いということだった。
そこで、上北山からちょっと北に入ったところの、小処温泉というのを 目指すことにする。
小処温泉は、ガイドマップの紹介によると、 「深い山中の秘湯」 ということだったので、期待していたのだが、大したことはなかった。
岩風呂みたいになってはいるのだが、人工的な感じがありすぎるので、 ちょっとイマイチ。わざわざ行くところではなさそうです。
小処温泉は匂いも弱かったので、それほどヘビーな泉質とは思わなかった ので、温泉をちょっとナメてみたら、舌がビリビリした。
ま、そんなことはどうでもいいけど…、参考まで。

小処温泉

小処温泉のすぐ横は、渓谷

上北山村と下北山村

小処温泉から、また上北山村に下りて、そこで小林さんと別れた。
おれは今日はテント泊をしようと思っていたので、水や食料などを調達 しようと思っていた。
小林さんによると、上北山村に酒屋があるので、 そこでいろいろ調達できるのではということだった。
上北山に下りてきたところで、一旦停車して、「あれが酒屋やから」と 指差して教えてもらった。
小林さんは「じゃ、おれは酒屋には寄らへんから、そこで別れよか」と いうことで単車をスタート、酒屋の前で停車せずに別れた。

さーて、今夜はどこで泊まるか、まだ決めていなかったけど、 なんとなく、ビールくらいは買って行こう、という気になってしまった。
ヌルくなるだろうけど、それも仕方ないかな、と。
ところで、酒屋だと思っていた店は、 ぜんぜん酒屋ではなかった
店構えが酒屋に似ていて、店の前にビールなどの自動販売機が並んでいた ので酒屋に見えたけど、酒屋ではなかった。
ビールはともかく、ミネラルウォーターはここで調達しておきたかった。
でも、自動販売機にミネラルウォーターは無い。
ウーロン茶でも別によかったのだが、ミネラルウォーターが欲しくなった。
店の前でウロウロしていたら、店の中から、若いお姉さんが出てきて、 「どうかしましたか?」と聞いてくれた。
おれは、「どこかにミネラルウォーターを売っているところはないですか」 とたずねたら、ちょっと考え込んで、 「ミネラルウォーターならウチにあります」 ということで、店の奥のほうに探しに行ってしまった。
待っている間、陳列ケースに目をやると、 その店は、柿の葉寿司を売っていた。
酒屋ではなく、柿の葉寿司屋だったのです。
うーん、おいしそう。早速、詰め合わせ購入。
4種類で、8個入っている。
そのうちに、さっきのお姉さんが奥から戻ってきて、 「これは実は売り物ではないので、 差し上げます」ということ。
わたしは感激して、礼を言って有り難くいただくことにした。

さて、今日の宿泊だが、 もう遠くに行くのはちょっと避けたほうが良さそうだ。
日が暮れはじめて、もう薄明かりになってしまっている。
マップを見たら、近くにあるキャンプ場は、 下北山村の「下北山スポーツ公園キャンプ場」くらいしかなさそう。
行ってみたら、かなり大きな施設だった。
公園の中に、温泉、キャンプ場、いろいろあって、誰もが楽しめるような 施設になっているのだ。
だからこのシーズンになっても人がけっこう多い。
おれはキャンプ場のところまで行ってみたのだが、 すでに受付が終わっていた。
キャンプ場自体は、けっこう広くて、すでに受付が終わっている 人たちは奥のほうでバーベキューとかやっていた。
手前のほうは、人がほとんどいなかった。
ゲートがすでに閉まっていたのだが、単車くらいなら入れるし、 テントを張るスペースもいっぱいある。
トイレや自販機、炊事場も完備していて、ちゃんと稼動していた。
自販機にはビールも売っている。
もう、最高の場所だったのである。
ただ、受け付けしないで、 勝手に施設を使ってしまうという後ろめたさはある。

後ろめたいというのもあって、 ほかにテント張れるところはないかと探したりしていた。
いわゆるキャンプ場というのは、この近くにはないので、 けっこう走らなければならない。 R425 を十津川方面にしばらく走ったところに、明神池というのがあったので、様子を見に行った。
明神池までの道のりは、真っ暗でとっても怖い感じなのだが、 突然、暗闇に明かりが現れて、それが明神池にある、池神社だった。
特に人が居るわけでもないのだが、明かりはしっかりとしていたので、 ここに泊まるのはやっぱりためらわれる。
ちょっと離れたところは、薄気味悪いし。
それにやっぱり、神社の近くで泊まるのは気がひける。

やっぱり、下北山スポーツ公園キャンプ場かな、と思いながら、 池神社をあとにする。
スポーツ公園キャンプ場に戻ってきたとき、 和泉ナンバーのRV車がうろうろしていた。
しばらくすると、女の子がその車から下りてきて、喋りかけてきた。
その後、連れの男も下りてきて、3人で喋る。
受け付けの時間までに間に合わなかったので、 無断でキャンプしてしまおうと思っているそうです。
鍋を作るそうで…。

このキャンプ場は村営ということで、 キャンプをするのは数百円でOKだそうです。
RVのふたりは、勝手にキャンプすると言っても、明日、事後承諾という ことで、遅れて受付をお願いするということでした。

おれも、単車を勝手に乗り入れて、勝手にテント張って、 明日、早朝にも出発しようと思っているので、事後承諾ということにもならず、 勝手に施設を使ってしまおうということになってしまうのであるが、 もし見つかっても、数百円払って、許してくれー、 って謝ってもいいなと思えば気が楽になる。

懐中電灯の灯りでテントを張る。単車のライトで照らしても良いのだが、 無断でテントを張っているというのもあって、なるべく周りの人に迷惑をかけないようにしようということなのです。
19時半くらいにテントを張り終わり、 自販機でビールを買ってテントにこもる。
懐中電灯をテントの天井にぶらさげて、夕食タイム。
上北山村で買ってきた柿の葉寿司と、ビール。もう最高の気分。
スポーツ公園の温泉で買ってきたおかしも食べる。
ほんとはお菓子なんか欲しくなかったのだが、 五千円札を分解するために買ったんだよね。
ビール500ccを2本飲んだら、けっこう酔ってきた。
酔ってるし、疲れているということもあるし、 懐中電灯の灯りは早く消したいという気持ちもあり、 早々と寝ることにする。
寝心地は悪くないが、枕がもうちょっとマシなものが欲しい。 (タオルだけなので)。
灯りを消したのは20時半くらいだったと思う。
ひとりでテント泊する人って、こういう時は、何をしているものなの?
早々と眠るのも悪くはないが、夏ではないから、夜が長い。
でも、寝つきが悪いということもないので、それも良いのですが。


今夜の宿泊

テントの内部と、今夜の食事

柿の葉寿司

目覚まし代わりに、携帯電話のアラームをセットして眠る。
ここは圏外なので、電源を切って寝たいのだが、 それではアラームは作動しないので、切ることができない。
(…とそのときは思っていたのだが、 ほんとうは、アラームを設定しておけば、電源を切っていても、 設定時刻になったら、勝手に電源が入って鳴るようです)。
圏外で電源を入れっぱなしにしておくと、親局を頻繁に探しに行き、 しかも、強い電波を発射するので、 すぐにバッテリーがなくなってしまうものなのですね。
そんなことは、そのときはあんまり考えていなかったのですが、 夜中の3時頃に、バッテリー切れの、 超大音量のアラームに起こされたときに、初めて気づいた次第です。
ほんとに大きな音で警告してくれますねー。 熟睡していたのに、ほんと、ムカつきますねぇ。
バッテリーがなくなってしまったので、 どうせアラームも作動しないので、そのときに電源を切ったのですが、 それでも、翌日、設定時刻になったときに、勝手に電源が入ってアラームが鳴り始めたのには更にムカつきました。
初めから電源切っておけば良かった、って…。
あとで考えれば、アラームで起きるために、携帯を枕もとに置いていたので、 夜中の間中、頻繁に、強力な電波を、脳に浴びつづけていたと思って、冷汗でました。いやほんと、気持ち悪いです。

つづく